本格手打そば処 せいじん庵
そば 4.17 | つゆ 3.83 |サービス 4.00 | 雰囲気 3.83 | 周辺 3.50
古川から鳴子温泉方面に向って岩出山大橋を渡り、バイパスから外れて江合川の堤防沿いを進むと、ほどなくして「本格手打そば せいじん庵」がある。 軒先に看板と手打蕎麦の幟が立ち、すぐ手前には50台収容の広々とした駐車場がある。
▲日当たりの良いテラス室には杉の丸太で作られた大きなテーブル。
▲客室にある10脚のテーブルは1本の欅の木から作られたもの。
せいじん庵の蕎麦は、産地、挽き方の違う厳選した3種類の蕎麦粉をブレンドし、風味・甘み・コシにこだわって打った本格そば。弾力があり、のどごしが良い手打蕎麦は是非ざるで味わいたい。 天ぷらには上質の天ぷら粉とゴマ油を使用し、香ばしくサクサクと仕上がっている。これを特製の岩塩でいただく。四月下旬から六月初旬頃の暖かい季節には山菜の天ぷらが味わえる。 熱々の汁に柔らかい鴨肉と甘みのある自家栽培の葱を使った鴨南蛮そばも自慢の逸品。
奥さん手づくりの漬物や天ぷらに使う野菜はすべて無農薬で自家栽培。畑でとれる四季折々の野菜の漬物をお代わりできるのは嬉しい。
▲蕎麦には3種類のおしんこが付く。すべて自家栽培で無農薬の野菜を使ったもの。 季節によって漬ける野菜も様々。
▲かけそば(800円)。
「せいじん庵」はご主人の清人さんの名前を音読みして名付けたもの。
定年退職後、旅行や趣味を楽しんでいたご主人は、ある日新聞に載っていたそば教室に興味が湧き、知人が開いていた教室ということもあり、1年間通うことにした。
蕎麦に関してはそれまではさほど興味があるわけではなかったが、蕎麦打ちを始め蕎麦の事を知るにつれて、段々と蕎麦打ちの魅力に惹きこまれていった。粉が1本のそばになっていく様子がおもしろく、通い終える頃には道具一式を揃えるほどに嵌っていた。
さらにそば打ちの技術に磨きをかけたいと思い、今度は仙台のそば教室に1年通った。
そば打ちの腕前を友人に披露し、美味しいと喜んでもらえるのも嬉しく、せっかく身に付けた蕎麦打ちの腕を振るえるように店を開きたいと強く思うようにっていく。
そして平成17年12月、友人の後押しや奥さんの支えもあって念願の蕎麦屋を開店した。
蕎麦屋としての1日のはじまりはそば打ちから。毎朝早くに蕎麦を打ち、開店前と閉店後は600坪もある畑の農作業で大忙し。
「大変だけど、何より楽しいから続けられる」とご主人は語る。
▲岩出山・江合川の堤防沿いにある「本格手打そば処せいじん庵」。
趣あるくぐり門を抜けて玄関口へ進む。
自宅を利用し営業している「せいじん庵」は、民家にお邪魔する様な気軽に入れる雰囲気がある。
入口を通ると案内されたのはとても明るいテラス室。杉の丸太で作られた大きなテーブルが中心にどっしりと備えられ、蓑やお面が飾られた賑やかな雰囲気の店内だ。
一日中光が射し込むテラス室は、もともと縁側に屋根を付けたテラス席だったが、冬でも暖かく過ごせる様にと2012年12月に思い切ってリフォームしたという。
腰を落ち着けると、お店特製自家製野菜の3種類のおしんこと温かい蕎麦茶が出される。寒い冬でも暖かい店内と蕎麦茶に体が温まる。
「やっぱり手打はざる。寒い日でもざるを美味しく食べていただくために、部屋はいつも暖かくしているんです。」とご主人。
庭の雪を眺めつつ温かい部屋で冷たいざる蕎麦をいただくのも冬ならではの楽しみだろう。
テラス室の反対側には居間を利用した広い客室がある。ここに並ぶ10脚のテーブルは、無垢材の欅のテーブルで、すべて1本の欅の木から作ったという。切り出して3年、製材して乾燥させて2年、計5年かけてやっと出来上がったというこだわり様。
「改装にはお金をかけず、できるだけ自分でやっている」と楽しそうに語るご主人。
独特の楽しい内装と暖かな空間に、お店作りが好きなご主人の雰囲気が現われているようだ。
「せいじん庵」の常連さんには福島や栃木から、中にはなんと横浜から何度も来るファンもいる。
「最初は女房と5年間だけ営業するという約束だったけど、ここの蕎麦じゃないと駄目と言っていただけるお客さんのためにも、体が続く限り続けていきたい。」
ご主人のお客への心配りは、遠方からわざわざ食べに来る人が沢山いるのも納得だ。
気負わず入れるほっこりアットホームな店は、一度こだわりの蕎麦を食べれば確かに何度でも足を運びたくなる魅力に溢れている。
伊達家ゆかりの地である岩出山には、旧有備館及び庭園、城山公園、感覚ミュージアムなどの施設が店からもほど近い。蕎麦を食べた後にゆっくり散策するのも良いだろう。
- 店名
- 本格手打そば処 せいじん庵
- 電話
- 0229-72-4190
- 住所
- 宮城県大崎市岩出山上野目中川原52-35
- 営業時間
- 11:00-15:00(そばが無くなり次第閉店)
- 定休日
- 火曜日
- 席数
- 52席
- 喫煙
- 不可
- 駐車場
- 50台
- HP
- http://blog.goo.ne.jp/rinndoukai/