三たてそば すぎやま
そば 4.27 | つゆ 4.13 |サービス 4.20 | 雰囲気 4.53 | 周辺 4.33
国道398号線の東和町米谷にある看板を頼りに、大関川中流の細い山道へと車を走らせると「三滝堂ふれあい公園」のすぐ近くに、森林と澄んだ空気に包まれた「三たてそば すぎやま」がある。
店舗の前には色とりどりの草花が咲き、訪れた客を優しく出迎えてくれる。
▲窓からの陽射しとそよ風が気持ち良い店内。天井が高く開放感がある
▲自家栽培・自家製粉にこだわった蕎麦粉で打つ純手打ち蕎麦
ご主人の蕎麦人生が始まったのは10年前の事。
農作業の側らで合間を縫って蕎麦打ち名人のもとへ足しげく通い、蕎麦打ちを7年ほど学んだのち平成12年3月に本格的に蕎麦屋を営む事となった。
始めた当初は、農家をやっていた頃と180度まったく違う仕事に戸惑うことも多く、お客さんからお叱りを受けることがあったが、ご主人の人柄や「わざわざ蕎麦を食べに来るお客さんのためにも手間をかけて美味しいものを提供しよう」という気持ちが評判へと繋がり、やがてその評判が常連客からのクチコミで広がり繁盛店となった。
▲店の看板メニュー「おろしそば」1,000円。薬味を蕎麦にのせ、辛味大根の入ったつゆをかけて頂く
▲ざるそば700円。天ぷらは、抹茶塩をつけて頂く
店舗は100年以上も前に作られた蔵と農作業場を改装。どことなく昔の面影を残したままのレトロな建物で木の温もりに溢れた建物になっている。
山奥にひっそりと佇む風貌は、自然との調和がとれた静かで落ち着いた別荘といった雰囲気である。
招き猫がお出迎えする入り口で靴を脱ぎ、中へ入ると看板に書かれている「三たてそば」に心が躍る。店内は明るい日差しが差し込み、高い開放感のある天井がゆったりとした気持ちにさせる。
厨房が隣接する座敷からはガラス越しに打ち場が設けられており、タイミングが良ければ店主の見事なそば打ちを見ることができる。
店内には座敷が1部屋に景観が美しい小部屋が1部屋、10名弱入る離れが1部屋あり、さらに天気が良い日であれば風情のある縁側で山々の緑を愉しみながらそばを味わえる。
店名にもある通りすぎやまでは、「挽きたて・打ち立て・茹でたて」にこだわった「三たてそば」を提供している。
そば粉は会津から取り寄せた種で自家栽培し、毎日必要な分だけ石臼挽きで自家製粉する。
つなぎは小麦粉を使用しているが、割合は二八と十一の中間の九一で打っている。
地元の素材でその土地の風土を味わって欲しいという思いから、山菜や自家栽培の野菜など地元ならではの四季折々の食材を使用したメニューが店の自慢である。
中でも器にもられた蕎麦にカツオ節と小ネギをのせ、その上から辛味大根を入れたつゆを豪快にかける「おろしそば」がこの店の人気メニューである。
俗に言うぶっかけそばスタイルで、甘めのつゆにピリっとする辛味大根がアクセントになり、さっぱりした味わいが疲れた身体を元気にしてくれるような一品。
その他にも冬の清流にさらし、手間隙をかけて作る“寒ざらし”もお目見えする。この辺りは、冬は氷点下12~3度になるとのことで寒ざらしの甘味が増すそうである。
四季折々でその季節の味を堪能でき、何度でも足を運びたくなる楽しいお店だ。
わざわざ山奥まで蕎麦を食べにいらっしゃるお客さんのために
手間隙をかけて美味しい蕎麦を提供するよう努力しています。
是非地元の味を楽しんでください。