全店舗クチコミ一覧
尚、当サイトではクチコミの内容について一切保証いたしません。詳しくは利用規約をご参照ください。
私はいつもながら私なりに思う名店に出会った時は、実にすべてのそれまでのストレスが飛んでいく。
何かの本で、茂庭台なる場所に、美味しい手打ち蕎麦のお店があると知り、休日の昼過ぎにクルマを走らせた。
そして私はおかげでそれまでに溜まったストレスをスタートラインに戻した。
そこは、玄関前から雰囲気抜群、店内も全く裏切らない。
私は奥の小上がりの長い見事な座卓の一角について、蕎麦茶と漬け物を出してくれた品の良いご婦人に、
初めてのお店でいつもそうする天ざるを注文した。これで大抵のことがわかる。
待つ間にメニューを見てみると、冷たい蕎麦は手打ち、温かい蕎麦は機械麺とある。のびるからだろう。
なる程、ご店主の蕎麦への真正直な姿勢が伺える。
そんなことを思ってると、ご主人自ら料理を運んできてこられた。
蕎麦は私の好きな、見るからに丸抜き、何種類もの天ぷらを楽しみながら、
最後は蕎麦湯の味を整えてもなお余ったつゆをなめて私は席を立った。
美味しいつゆは店を後にしても口の中にはいつまでも名店で蕎麦を楽しんだという余韻を残してくれる。
小上がりから降りる時、私の靴はいつの間にか向きが変わって整えられていたことも書き添えておこう。
東北の数多くの蕎麦処を巡って味わってきたが、私なりに名店と呼びたい店のリストに一軒また、
書き加える店を見つけた。
昼時行ってみると、先ずご店主自らが迎えてくれて、「今日のランチセットはこちらに見本が」と
示してくれたので、いつもなら初めての店では天ざると決めてはいるが、
それは、蕎麦と天ぷらの腕前でその店のおおよそがわかると勝手に思っているのと、
それを基準にして自分自身の舌の安定化とレベルアップを定期的に図る意味もあってだが、
せっかくなので、ランチセットにした。今日のセットの日替わりのおかずはシュウマイだという。
蕎麦屋でシュウマイかい?面白いな、と思いながらもしやこれは自信があるなと感じ取ったからだ。
店主はさらに、蕎麦は細麺と太い麺から選び、温かいか冷たいかの選択をと聞く。
私は細い麺でざるを頼んだ。これが狙い通り、私の好みどおりだった。シュウマイも実に旨かった。
かつ丼が旨い。蕎麦屋のかつ丼も重要だ。私はかつ丼は蕎麦屋で食べるものと思っている。ここは肉は厚切りで、卵の香りと何とも旨いだし汁、ごはんそのものも旨い。玉ねぎもよく煮えて甘い。
蕎麦は印象的な細さ、平日は食後にコーヒーサービス、それで全くもって良心的な値段。毎日利用したい店だ。
蔵の町村田に、古いお雛様を見に出かけた。
お雛様は女の子の見るものだ、というイメージは私はとうに払拭している。
江戸、明治、大正、そして昭和初期くらいまでのお雛様は、男でも古いものが好きな私を引きつけて止まない。
何百年経ようと、綺麗に残る色。どれだけ大事に保管され続けてきたかよくわかる。
古いお雛様は、蔵の町によく似合う。
飾られた傍らで来訪者の応対をされている人たちもとても上品で受け答えが丁寧で、男の私の尋ねごとにも皆、親切だ。
気分を良くした私は、帰り道に手打ち蕎麦ののぼりに惹かれて吸い込まれるように、蕎麦処に入った。
まるで人の家の門をくぐり庭先を通って入る古民家風の農家レストランといったシチュエーションは、まさに今日一日の
締めくくりにピッタリだ。
一階は満席、二階にどうぞという。
いかにも古民家の上へ真っ直ぐ伸びた急な階段を上がって、大きなテーブルに置かれたメニューには、
「本日は、季節限定寒ざらしそばのみ」となっている。
私の心はさらに踊った!
「なんと今日は本当にいい日だ、図らずも寒ざらし蕎麦を楽しむチャンスにめぐり合えた!」
当然、私は大盛りを頼んだ。
テーブルに置かれた雑誌を読みながら待って、運ばれてきたそれは、期待以上のものだった。
もはや、やれ蕎麦はどうだ、つゆはどうだと言うのは無用だ。
この旨さは食べればわかる。食べねばどれだけ聞いてもわからない。
これ程寒ざらしは違うものなのか。
しばらくは、村田通いが続きそうだ。
つくづく世の中、これだから面白い。
肉屋さんがやってる食堂?で、蕎麦が美味しい。
私は中間管理職として、人並みに、上下左右に辟易したり、会社を辞めたくなることもしばしば、
十二指腸潰瘍もでき、このストレスを晴らすのは最近ではもっぱら食べ歩きだ。
今日は宮城県は川崎町にある国営みちのく杜の湖畔公園で、支倉常長まつりだという。
6月になってもまだ肌寒い日曜だったが、ポピーもまだ咲き始めだが、
川崎町産の蕎麦を味わえる店も下調べしたうえで、支倉常長まつりに出かけてきた。
町役場にクルマをとめて、ところが目当ての店が3軒、皆なんとも今日はやっていない。
ふと目に入ったのが、「精肉食堂」とありながら、その上には「川崎名物生蕎麦」の文字と、
なんと大きな「そば」の暖簾がかかった店に、私は俄然、興味が湧いた。
店内入るや壁には白い花咲く蕎麦畑の大きな写真が。
メニューには「ざるそば(手打ち)」とある。
きっと肉料理はさぞ美味しいのだろうけども、蕎麦を頼んでみたくなるのは私だけではないだろう。
そしてこれがきちんと海苔が乗ったざるそば、少し緑がかった蕎麦はまるで寒晒しのように甘く、
つけるつゆはいらない、何もいらない、蕎麦だけでもぐもぐ食べられるほどの旨みがあって、
だが、このつゆもまたいい、何とも驚きだ。
思わず聞いた。蕎麦は確かに川崎町産だという。
佐幸精肉食堂、恐るべし。
そう、ここは食堂だ。このいかにも食堂ですという雰囲気もまたいい。
これはしばらくは、川崎町通いとなりそうだ。
川崎町、恐るべし。